頭と体の中継地点
上部頸椎の変位(ずれ)は、サブラクセイション(神経伝達妨害)の他にも、全身に様々な影響を与える可能性があります。上部頸椎カイロプラクティック以外では語られることが少ない、上部頸椎のずれが関係する身体への影響を紹介します。
上部頸椎のずれは全身に負担をかける
頭部の重さはおよそ5kg。その土台となり、重みを受け止めているのが上部頸椎です。 PC使用時、車の運転、読書、編み物などの頭部を前方へ突き出した継続的な姿勢は上部頸椎のずれを引き起こします。 また日常的にかかる身体への部分的負荷が緊張性頭痛、肩こり、腰痛などの要因となりますので注意してください。
脳幹の働きを妨げる
上部頸椎領域には生命維持中枢である延髄(脳幹の一部)があり、全身の機能(血管運動、心臓、消化器官、呼吸、筋肉の調整などの自律神経の中枢がある)に関わっています。つまり上部頸椎のずれが 血液循環不全、冷え症、高血圧、貧血、呼吸器疾患、吐き気など自律神経系全般に影響 を与えることがあるのです。
体の歪みにも理由があった
背骨の歪みは上部頸椎のずれの代償とも言えます。 上部頸椎カイロプラクティックでは、上部頸椎以外の背骨の歪みは頭部を安定させるために身体が本能的に取る補正作用として捉えますので、アジャストメント(調整)の対象にはなりません。したがって一般的に行われている背骨をポキポキと矯正するようなことはありません。上部頸椎カイロプラクティックの考え方は、上部頸椎のずれへの補正作用による背骨や骨盤の歪みを起因とする 筋肉の緊張や炎症への対症療法、歪んだ骨盤の状態でのコルセット着用というように、結果へのアプローチ(対症療法)とは対極にあるのです。
その他
噛み合わせの問題、めまい、耳鳴り、生理痛など婦人科系疾患、頭痛、眼精疲労など様々なことにも上部頸椎の変位が関与していることが考えられます。
上部頸椎の位置と代償作用
上の図は背骨を左横から見た時の理想的なカーブを示しています。
一番上(赤色)が第一頸椎でその下が第二頸椎(茶色)を示しています。
また背骨の右に示したレントゲン写真は頸椎(くび)の理想的なカーブを示した所です。
下のレントゲン写真は頭部の位置が変化したために、首のカーブが変化したものです。
第一頸椎もしくは第ニ頸椎にずれが起こると頭部が不安定なものとなり、理想的な生理的彎曲(前彎)が失われ、上部頸椎から下の背骨にそれに見合った代償作用が起こります。
そのために、骨格(構築)的に補正部位に負荷がかかり、首のみならず、特に背中、腰、膝、足首に問題が起こりやすくなります。 「腰痛」を引き起こしている原因の多くは首にあります。
※生理的彎曲が保たれていても、神経の伝達妨害は起こり得ます。